読書録#10:Gift from the sea

4月から出席していた大学の英語講義がやっと終わった。2冊のアカデミックな英語テキストを読みきるのも一仕事だし、英語でのプレゼンとディスカッションを用意するのは集中の要るものだった。こんなに授業を時間をかけて丁寧に受講したのは初めてかもしれない。。。自分の負担でやるって大切。。。

さて、時間があれば「テキスト読まんといかん…」という強迫観念から解放されたので、ふつうの本をひとつ。
Anne M. Lindfberg『The Gift from the Sea』

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リンドバーグ夫人著、吉田健一訳として『海からの贈り物』という和訳も有名。リンドバーグは(バンドのほうではない)初めて大西洋横断飛行に成功した飛行士で、筆者はその奥さん。自身も飛行家。海辺で集めた貝をモチーフ取り上げたエッセイ集。

初版は1955年だから、半世紀以上前の作品になるが、現代人もフムフムと思うトコロが多いのは、家庭の外でも働くアメリカ人女性の悩みと到達点を綴っていて、非常に「モダン」だからである。私達の中にある「モダン」な部分が呼応しているからで、完全に「ポストモダン」な人は理解できないかもしれない。

本の中で特に印象が残ったテーマ、1つには彼女自身の自己認識の到達点というか、女性として、5人の子どもの母として、役割に追われていたとしても、普遍的にある自分自身への眼差しがある。

大人になると、びっくりするほど複雑怪奇な日々の雑務がふりかかり、全部を消化できず、どんどんパイのように積層していく、という感じは多くの人が持つことがあると思う。

それに埋もれながらも、自分の中の普遍の部分、小さい頃からのあこがれとか、好きなものとか、あるだろう。それらを忘れがちにならなったら、海岸の貝殻を拾うように、ときたま集め直さないといけない。英語の表現だと”oneness”という言葉がしっくりくるかと思う。

そして、もうひとつは人間関係の困難さに対する、あきらめを含んだ開き直りだ。人間同士の付き合いは、ーここでは主に夫婦の関係だが、万事波のように引いたり満ちたりするけれど、変化を喜んで受け入れるべきだという。これは、うつろい変わることを受け入れると同時に、すごく安定した関係を信じることでもあると思う。

本を読んでいる間は知らなかったが、リンドバーグ夫はドイツに生涯続いた恋人がおり、3人の婚外子をもうけていたそうだ。きっとリンドバーグ夫人は、夫のことを冒険家として尊敬し、5人の子どもを育てていく責任、家族の歴史を共有しているから、潮の流れが変わることがあっても、自分と夫の絆に普遍の部分があると理屈付けたかったのだろうなぁと思う。

そうしなければ、乗り越えられなかったとしても、ちょっと一方的な自分への説得に見えて痛々しい。。。ただし、このロジックはリンドバーグ夫人にも、夫以外で恋人や愛したひとがいる場合も通じるから、もしかしたらひょっとして?

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最近、実家で2週間あまりすごし、母と大半の時間を過ごしたが、この本を読んでいたことも会って、彼女を「母」じゃなくて1人の女性として見るようになった。4人のオテンバ娘を育て上げた姿が、リンドバーグ夫人と重なる。彼女とはずいぶん違う人生を歩んでいる娘たちを見て、どう思っているのだろうか。

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さて、女性の生態というところで、考えていることをもうひとつ書いておこう。
それは、女性の競争のこと。

つねづね、私は女性同士はいつもお互い情け容赦ない競争を続けている、と思っている。
4人姉妹にうまれ、3年間を女子校ですごし、8年間女性のシェアハウス/ルームで暮らした経験から。

こんなふうに表現すると大抵の人に引かれそうだが(あと自分のことを一般化するなと言われそうだが)、この視点で見ていくと、女の人の行動って、自分を含めてものすごく分かりやすくなる気がするので、色々役に立つと思うんだけどなぁ。

ビジネスのハウツー本で、「こうすれば女は動く〜女性の競争心を刺激して最高のアウトカムをもたらす5つのメソッド」とか、どうかしら。ちょっとタイトル下品だけど。

以前、男性が女性を巡って競争するときは、最終的に「狙った女の子とハートを射止めること」だが、女性が男性を巡って競争するときは、「競争相手に勝つこと・競争相手を叩き潰すこと」になるという話を聞いた。だから、男性は目的を果たせば、彼女や奥さんを放置するのも平気(な人もいる)。

一方で、女性はあくまでも、いつ競争相手にチェックされてもいいように、幸せな暮らしを演出するので、競争は終わらないという。逆に、もし競争相手に対して、「こいつは格下」と思うに至れば、嫉妬の対象ではなくなる。一瞬でもスキを見せてはならないのである。

単なる自己分析じゃないの。。。と言われそうだが、みなさん程度の差はあっても、本当にこういう面はあると思う。男性主導の社会は権力を欲して戦争をはじめるというが、女性が取って代わったらどうであろう。

たしかに、女性社会は戦争を始めないかもしれないが、それはただし交渉上手だからでも平和主義だからでもなく、もっと個人的で狭い範囲の争いごとに、殆どひまなくしているからではないだろうか。。。

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