”WILD: From lost to found on the Pacific Crest Trail ” Record of reading ②

A story of a gorgeous, lonely, and WILD girl
on the Pacific Crest Trail.


アメリカの伝説的ロング・トレイル(Pacific Crest Trail(PCT))を、著者Cheryl Strayedが26歳の時に一人バックパック旅した回顧録。
旅の途中で世の塵を洗い流し、ダメな自分や家族の死を受け入れつつ、カタルシスを経験するという、いうなればアメリカ版お遍路さん。

原書は2012年に発刊で、去年12月にアメリカで映画が封切られている。

これぞアメリカー!という感じのトレイラー。


ナショナル・パークの大自然がアメリカという国の精神的シンボルだとしたら、日本人がお遍路さんを周り、イスラム教徒はメッカへ一生に一度旅をし、キリスト教徒カトリックが教皇に会いにバチカンへ行くところを、アメリカ人がナショナル・パークを目指すのは必然なのかもしれない。

Wild: From Lost to Found on the Pacific Crest Trail by Cheryl Strayed

それはともかく、”From lost”というだけあって、主人公(著者)の失いっぷりがすごい。(まず名前がすごい…Strayedだから「迷い人」ですか)

暴力的な実父を恐れながら幼少を過ごし、最愛のお母さんをハタチそこそこでガンで失い、大学をドロップアウトして、心の穴を埋めるために情事を繰り返し、夫と離婚し、果てはろくでもない年下の彼氏にひっかかり、一緒にヘロイン中毒になって、中絶して、人生をやり直すためにロングトレイルの旅に出るというお話。
(著者は「Dear sugar」という人生相談コラムを匿名で書き続け、人気を博したエッセイスト。
今年46歳、貫禄のお姉様。)

PCTはメキシコの国境からカナダ国境まで続く長距離自然道。
主人公はその一部、MojaveからBridge of the Godまで、カリフォルニアを縦断してオレゴンの北端まで踏破する。

craterlake_01

旅の終盤で立ち寄るクレーター・レイク国立公園。行きたい。 http://www.link-usa.jp/us-dictionaly/archives/2008/05/21_211454.html

最初はお母さんの死を嘆くばかりか、キャンプ用コンロの燃料を間違えたり、パッキングが下手くそでバックパックが誰より大きかったり、ヨタヨタ歩き出す主人公だが、灼熱の砂漠や雪山を一人ぼっちで何マイルも歩き、ツメが剥がれたり、靴を谷に落としたり、荷物を軽くするため本を毎晩焼いたりしながら、歩き続ける。

女の子の読者であれば、彼女の少しあばずれなところ、意地っ張りのところ、自信のないところ、亡くなったお母さんを許せないところ、男の人に頼ってしまうところ、読みながらどこかしらに共感すると同時に、しなやかでしたたかな女性に成長する姿に憧れるのではないかと思う。
あと話の最後のほうでモテ女に変貌するところも…

それにしても、たった1人、日がな重たい荷物を背負い、モクモクと歩いて、真っ暗な砂漠や森の中ででキャンプをするなんて、どんな気持ちだろう。
PCTを歩くトレイル仲間たちの描写も、本音の女子目線で描かれていて楽しい。
数カ月に及ぶ旅の途中で、何週間ぶりにかシャワーを浴びる気持ちよさや、久々に町に降りてきた時に食べるジャンクフードの美味しさ、応えられないのだろうなぁ。

私は当然のことながら、読みながら凄まじくトレイルを歩きたくなって、ここ最近はロング散歩に週末を費やしていた。
吉田山とシエラネバダ山脈では比べようもないが…京都の霊気で若干のカタルシスはできたように思う。

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